2015.04.02

対談:政治とダンス

 

 

殿岡 「ストリートダンスというアンダーグラウンドなカルチャーを、八王子、日本の一つの文化にする。」

 

及川 「ダンスと行政。関心を持たなかったもの同士が、互いの価値を認めて協力していくことが大切。」

 

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殿岡さんと及川さんは見た目も雰囲気も正反対に見えるのですが、2人が一緒に活動している理由ってなんですか?

 

及川 初めて会ったのは高校生の頃で、その後よく一緒に野球の試合をしたりしていて。

トノ(殿岡)と一緒にいると、殿岡と及川が仲良くしているのは意外だってよく言われるけど、ちゃんと互いの活動を評価しているし、八王子を盛り上げるためには互いの活動が必要だってわかっているから自分たちからすると一緒にいて当然なんだよね。

 

殿岡 昔、オイケン(及川)が政治家になると言い出したときに聞いた政策の1つに、まちの中にある行政や民間が持て余している施設をもっとアーティストに開放したいというのがあって、それを聞いた時にこいつはちゃんと俺らダンサーのことも考えてくれているなと感じたのが大きいです。あとは、市議会議員という公的な立場で活動しているオイケンと連携することで、より幅広い人たちにダンスのイメージを伝えられるというのも理由の1つです。

 

及川 僕も昔の話をすると、トノがストリートダンスっていうアンダーグラウンドなカルチャーを世間から認めてもらえるカルチャー(文化)にしたいって言っていたのがすごく印象に残っていて。あれから何年か経った今、これまでの8 north gateshakeでの活動を通して、その感触はどう?

 

殿岡 ダンススタジオを開校して、子供たちを対象としたレッスンを通して、ダンスをする子供たちが増えてきて。お子さんの応援をきっかけに親御さんたちもダンスを知ってくれるようになって、ダンスに対する一般的な認知度が高まってきたのを実感してるよ。全国にダンススタジオが広がってきたのも大きいし、シェイクの影響も大きいと自負している。優れた講師陣を招いて、他のダンサーたちにもプロ意識を持ってもらうことで、礼儀などもよくなり、世の中に評価してもらえる様になってきた。ヒップホップのアンダーグラウンドな部分を残したまま、一般的なイメージも良くなってきていると思う。

 

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アンダーグラウンドな部分を残すことの大切さとは何ですか?

 

殿岡 僕がもっとも大切にしているアンダーグラウンドな部分というのはヒップホップのスタイル、恰好や仕草もそうですが、ぶれない、こびない精神などです。そこを大切にして残していければ、大衆に広まっていってもダンスをリスペクトしてもらえる。ヒップホップの歴史を作った人たちに敬意を払うこと。古いものの価値を大切にすることを、レッスンを通して子供たちに教えています。ダンスがどんなにポップなものになってもそこだけは忘れずに続けていって欲しいと思うし、それを広めるためにスタジオを増やしています。

 

 

アンダーグラウンドな部分を残すためには何が必要なのでしょう?

 

殿岡 もともとヒップホップのダンスはブロックパーティーから始まったものなので、ダンススタジオの発表会だけではなく小規模のパーティーも積極的に開くようにしています。バトルなどの表現力の戦いというものは維持していきたいし、生徒にはどんどん出て欲しい。ヒップホップのカルチャーはダンスだけではなく、ラップ、DJ、グラフィティなども含んだものなので、それも感じてもらえるよう子供たちにも積極的に参加して欲しいですね。

 

及川 B-BOYって一般的に悪っぽいイメージを持たれてしまいがちだけど、みんなとても礼儀正しいし、最近のトノは子供たちの教育のことをすごく一生懸命に考えていて。とってもピースな存在だよね。

 

殿岡 ヒップホップの精神はピース(平和)、ラブ()、ユニティ(団結)だからね。決して誰かと戦うものではないんです。

 

 

アンダーグラウンドなカルチャーを文化として世の中に認識させるためには、殿岡さんが言われているように行政のような公的な機関のサポートも必要かと思うのですが、及川さんはどう思いますか?

 

及川 まったくその通りで、ダンスと行政のようにこれまで関係が薄かったものが互いの価値を認め、関係づけることが必要だと思っています。他の文化と同様に、ダンスだからこそできることの価値を行政が評価して、まちづくりに活かしていく必要がある。僕は市議会議員として政策提案をしてまちづくりをする一方で、個人としてもAKITENというアートプロジェクトの代表や、恋する八王子彼女という八王子を紹介する番組のプロデューサーをしています。まちを活性化させるためにはもちろん政治の力も必要なのですが、活性化の原動力となる人々の心を動かすためには、政治家よりもアーティストの方が優れていると思っていて。そんな理由で、政治とアートプロジェクトの両方からまちの活性化に取り組んでいます。

 

 

実際に両方の活動に取り組んでみて、その手ごたえはどうですか?

 

及川 もちろんありますよ。議会で提案してあとは市役所頼みにするんじゃなくて、自分で動いた方が早く上手くできる部分もあるし、自ら活動をしないと見えてこないこともたくさんあるので。正直かなり忙しいんですけど、両方の活動をしています。だから逆に行政に関わらずに生活している人たちにも、ちゃんと行政のことも見ていてほしいと思います。一方だけの視点だと、互いの活動を公正に評価できないし、どちらも八王子を盛り上げようという思いを持っているのだから、協力し合った方がより大きな力になりますしね。そういう点で、トノは行政のことも考えながらダンスについて話をするから、アンダーグラウンドなカルチャーを文化にするっていう言葉に重みを持たせられているんだと思います。

 

 

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殿岡さんはダンサーとして、経営者としてまちに対する要望はありますか?

 

 

殿岡 フランスやアメリカではどんなイベントにも多くの人が興味を持ってくれて、ダンスイベントにも州や市のサポートがつくんです。

金銭的な補助でなくてもよいので、八王子市が僕らをサポートする姿勢をどんどん示してくれると嬉しいですね。自分達も八王子の活性化に向けて協力するから、行政にも協力して欲しいと思います。

八王子生まれ八王子育ちなので、八王子はヒップホップなどのストリートカルチャーが行政と融合していると言われる、そんな特別なまちにしたいんです。そうなれば他の市も動いてくれるようになる。その最初の市になりたいですね。

 

及川 お互いが架け橋となって繋いでいかないとね。まずはヒップホップの力を見せられる場所を作っていきましょう。

 

 

今後、お二人で一緒にしていきたい活動などはありますか?

 

及川 ダンスを通じて文化の継承と創造をしていきたいです。どうしても文化っていうと伝統とか継承という言葉が連想されがちで、歴史の浅い物は文化として評価されにくいですよね。もちろん継承も大切だけど、その一方で新しい文化を作っていくこともすごく大切だと思います。例えば、最近は地域のお祭りなどでも参加者が少なくなって、盆踊りを踊る人の数が減っているみたいですけど、そういった場所にストリートダンスが入っていって文化の継承と創造をしていったらいいですね。おじいちゃんおばあちゃんが盆踊りを踊るかたわらで、若者や子供たちがストリートダンスを踊る。互いの文化を認めて、融合することで、地域のお祭りが継承されていくような事例があってもいいなと思います。

 

殿岡 お祭りのやぐらのうえにDJブースがあったら面白いよね。さっきも話したけど、古いものの価値をリスペクトにすることはとても大切。逆に俺も一緒に盆踊り踊るし。あとは、八王子の街中で道路や空きテナントを使ったブロックパーティーをやりたい!

 

及川 今年の夏こそぜひ実現しよう。

 

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プロフィール

 

殿岡陽丈 1980年生まれ 八王子市出身

日本大学経済学部卒業

大学在学中に八王子で初のストリートダンスチーム「8 north gate」を立ち上げる。

2011年には日本最大のストリートダンスコンテスト「B-BOY PARK」で優勝を果たし、現在も日本を代表とするダンスチームのリーダーとして活動中。

SHAKE DANCE STUDIO八王子、愛川、津久井、橋本の4校を運営するブランド企画の代表。

居酒屋クジラ商店とレンタルスタジオ8 north gateを運営する殿岡プロダクツの代表も務める。

 

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